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bolt 1分サマリー
schedule 約6分で読めます

11月の重要ポイント

  • 総来館者数490,959人(前年比-2.3%)だが、週末イベント日は120〜160%と大幅増
  • 電車利用が急増(+16.7%)、若年層のイベント客が公共交通を選択
  • 平日の駐車場利用が激減(-34.5%)、ビジネス需要の回復が課題
  • レストラン検索がONE PIECEイベントを上回る、食体験への高い関心
  • 韓国・台湾からのアクセス増加、ポップカルチャーイベントとの連動
01

「箱」としての機能から
「電池」としての機能へ

今月のデータは、ATCが「巨大な充電池」のように機能していることを示しています。平日はエネルギーレベル(来館者・検索数)が低く抑えられていますが、週末には特定の「充電器(イベント)」が接続されることで爆発的なエネルギーサージが発生しています。

もはや「なんとなく買い物に行く場所」ではなく、明確な目的を持って「充電しに来る場所」へと変貌しました。Webとリアルのデータが完全に同期しているのがその証拠です。

総来館者数
0
-2.3% YoY Year Over Year:前年同月比。2024年11月との比較値です。
週末駅利用
0
若年層シフト
平日駐車場
0
ビジネス需要激減
bar_chart VISUAL SUMMARY
ATC November Infographic
02
bolt

イベントパルス同期

デジタル(Webアクセス)とリアル(来館者数)の波形が完全に一致しています。特に週末の大規模イベント時は、検索数が物理的な来館の先行指標として機能しています。

11/1-2: 週末スパイク

来館数 前年比 177%

Lovelyにゃんフェスタ + Pet博 + モデラーズフェス

Web検索: 「にゃんフェスタ」等の指名検索が急増

11/15-23: ポップカルチャー

駅利用 前年比 141%

SUPER DRAGON + acosta! (コスプレ)

特徴: 若年女性層とコスプレイヤーによる駅利用の急増

lightbulb Why This Matters

Webでイベント名を「指名検索」して来る層は、ATC自体には不慣れです。 彼らは最短距離で会場に行きたいと考えており、その結果が「ATCホール」へのルート検索(21,259回 vs ATC全体9,270回)という圧倒的な差となって表れています。

03
restaurant

「食」が滞在を決める

イベントは「きっかけ」に過ぎません。データが語る真実は、来館者の体験の質を最後に決定づけているのは「食事」です。

Webサイトの閲覧数において、「レストラン一覧」ページ(20,481 PV)は、あの超大型イベント「ONE PIECE EMOTION」(16,001 PV)を上回りました。 これは、イベント目的で訪れた人々が、現地での「食体験」をセットで真剣に計画していることを証明しています。

Restaurant List PV Page View:ページ閲覧数。
ユーザーがその情報をどれだけ「見た」かを表す基本指標です。
20,481
One Piece PV Page View:ページ閲覧数。
イベントへの関心の総量を示します。
16,001
04
help

来館者の「物流不安」

来館者がWebで検索しているのは、イベント情報だけではありません。彼らは現地での「サバイバル」を懸念しています。特にコスプレイヤーや遠方客にとって、荷物と喫煙所は死活問題です。

CTR 異常値 Click Through Rate:検索結果が表示された際にクリックされた割合。通常5-10%程度に対し、極めて高い関心を示します。
コインロッカー
86.4%

検索結果クリック率。ほぼ全員が探している。

CTR 異常値 Click Through Rate:この高い数値は、ユーザーが「喫煙所の場所」を必死に探していることを物語っています。
喫煙所
74.8%

非常に高い関心。場所がわかりにくい可能性。

05
smartphone

モバイルの壁

Webアクセス者の82%がモバイル端末を使用しています。彼らは移動中、あるいは会場到着直後に情報を探しています。

9,710PV)。これは、イベント会場(ITM棟)と商業エリア(O's棟)のデジタルな断絶を浮き彫りにしています。イベント客はO's棟のレストラン情報は見ているが、ITM棟自体の詳細には興味がないか、たどり着けていません。

06
groups

顧客属性:見えない若者たち

PiTaPaデータの矛盾

info 重要な注意点:このPiTaPaデータは主にATCに勤務のために来館する従業員からのデータです。そのため、上位3つの年齢層(50代・70代男性など高齢層)が多く表示されていますが、これはイベント来場者の実態を反映していません

駅データのPiTaPa利用者属性では「50代男性」「70代男性」が多く出ています。しかし、イベント現場の肌感覚やイベント内容(コスプレ、アニメ)とは大きなギャップがあります。

これは若年層がICOCAやモバイルSuica、切符を使用しており、PiTaPaデータ捕捉外(ダークマター)になっているためです。高齢者向けの施策だけでは、この「見えない若者」を取り逃がします。

広域商圏の証明

  • 弁天町(JR環状線接続) 9.7%
  • 梅田(広域ハブ) 7.7%
  • 海外(韓国・台湾) Inbound

ONE PIECEイベント等はインバウンド需要も喚起

07
public

静かなる国際化

デジタル上の足跡からは、二つの異なるインバウンドの潮流が見えます。

  • 中国・シンガポール:ATC全体のブランドに関心が高い「投資・ビジネス層」の動き。
  • 韓国・台湾:ATCホール(イベント会場)を直接指名検索する「エンタメ・ファン層」の熱量。

特に韓国・台湾からのアクセスは、日本のポップカルチャーイベントと強く連動しており、彼らは「観光客」ではなく「参加者」として来日しています。

08
reviews

顧客の声:Googleレビュー分析

95
レビュー総数
5.0
平均評価 ⭐
100%
肯定的評価
37
テキスト付き

11月のGoogleレビューは、全95件が満点の5つ星という驚異的な結果でした。 特にイベント体験法人利用(ラウンジ・会議室)で高い評価を獲得しています。

trending_up 高評価エリア

celebration ATCホール

ONE PIECE展など大型イベントで高評価

「広くて清潔」「写真映えする」
restaurant ATC O's 飲食エリア

サラダバーやカフェなど多彩な飲食店が好評

「食事も美味しかった」「ゆっくり過ごせた」
water シーサイドステージ

海辺のロケーションが唯一無二の価値を創出

「景色が美しい」「癒される空間」

lightbulb 改善のヒント(5つ星レビュー内のコメントより)

battery_charging_full
充電スポットの設置

ONE PIECE展で「写真を撮りすぎてバッテリー切れ」という声。撮影スポット付近にモバイル充電器レンタルの設置を推奨。

signpost
案内表示の改善

「フロアマップが分かりにくい」「ニュートラムを降りてから迷った」という声。駅からホールまでの動線強化が必要。

storefront
平日の賑わい創出

「錆びれた感じ」「寂しい」という印象が一部に。イベントのない平日は広大な空間が逆効果に。テナント活性化が課題。

format_quote お客様の声ハイライト

"景色が良くて、食事も美味しかった"

— ATC O's 来館者

"静かな雰囲気でゆっくり展示を楽しめました"

— サウスビル6F 展示会来場者

"駐車場1日1000円は他と比べて超お得"

— 駐車場利用者

"イベント運営者として完璧な施設。スタッフも丁寧"

— イベント主催者
directions_boat 発見:フェリー客との相乗効果

さんふらわあフェリー乗船前のお客様が、ダイソーでスリッパを購入したり、太陽のカフェで時間調整する様子がレビューから確認できました。 出港前の「待機消費」を意識したプロモーションの余地があります。

smart_toy AI GENERATED STRATEGY

checklist 戦略アクションプラン

1

「不安」を先回りして消す

コインロッカー、ATM、喫煙所の場所を、検索させる前に提示する。駅改札前やイベント待機列にQRコード入りの案内を設置し、モバイルですぐに見られる「サバイバルマップ」を提供する。

2

「プレ・イベント」マーケティング

Webトラフィックはイベントの数週間前に急増します(例:文具女子博)。このタイミングでリターゲティング広告を打ち、「当日のランチ予約クーポン」を配布して、来館前の時点で飲食需要を確定させる。

3

平日ビジネス需要の再構築

駐車場利用の激減(-34.5%)は危機的です。ITM棟のオフィスワーカーや営業車向けに「平日ランチタイム駐車無料(90分)」等の大胆な施策を展開し、空きリソースを稼働させる。

※ 本提言はAIによるデータ分析トレンドに基づいた仮説提示です。施策の実行にあたっては、各担当部署での詳細な効果検証と検討を推奨します。

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menu_book 用語集
YoY (Year over Year)
前年同月比。2024年11月との比較値です。
PV (Page View)
ページ閲覧数。ユーザーがその情報をどれだけ「見た」かを表す基本指標です。
CTR (Click Through Rate)
クリック率。検索結果が表示された際にクリックされた割合。通常5-10%程度が目安です。
PiTaPa
関西の交通系ICカード。主に定期券利用者のデータを含むため、通勤者が多く反映されます。
インバウンド
訪日外国人観光客。Webアクセスの国別データから推定しています。
ダークマター
データに表れない来館者層。ICOCA・モバイルSuica利用の若年層など、PiTaPaデータに含まれない層を指します。